ゆみとり

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虫と歴史その① トンボと秋津島

元記事

 

「トンボ=アキツシマ=日本列島」トンボの歴史を知れば日本史がすべて分かる! | BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)

 

なぜ縦向きに撮らなかったのかと、今激しく後悔しています。羽化したてのテントウムシ

 

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これでも充分美しいとは思うのですが、人間(私)の目で見た時はもっと綺麗でした。

夕暮れ時だったので、透き通った羽や背中に夕日が照り映えて、良く磨かれた瑪瑙のように輝いていました。

黒曜石のような頭部は艶々で、生まれ変わったばかりの肌色の足で必死に壁にしがみついていました。まだ体が柔らかくて、つかまるだけでも大変なんでしょうね。風が吹くたびにユラユラしていました。

 

 

今回は「秋津」と呼ばれるトンボのお話。

なぜトンボは「秋津虫」と呼ばれるのか?「秋津島=日本」との関係は?と、ざっくりと書いてみました。

江戸期や明治時代をすごくすっとばしましたが、もう文字数がギリギリで……orz

 

本当はもう少し戦国武将や江戸期の大名とトンボのお話や、水上母艦「秋津洲」のお話なんかを書きたかったのですが、タダでも長過ぎて読んで下さる方が飽きてしまうレベルだったので、あれでおしまいとしました。

 

あの記事の最も主張する所は最後の一行「トンボ増えて!」です。

デング熱だの何だの色々書きましたが、つまりはそれに尽きます。トンボが好きだから消えないで欲しい、それだけです。

 

昔、トンボの黄昏飛翔が見られる所に住んでいた事がありました。

 

その名の通りの黄昏時、橙色の空を埋め尽くすトンボの群れは、それはそれは圧巻でした。適当に数えてみましたが、一㎥の空間に大体3~多くて5匹のトンボがひしめき合って、それがずっと上、私の視力で確認できるギリギリ上空まで続いていました。もしかしたら見えないだけで、もっと上の方まで続いていたのかもしれません。

 

この間、そこに行ってみたのですけれども、大変残念な事にトンボがグッと少なくなっていました。

 

いない訳ではありません。電線やその辺の木なんかには留まっています。でも、空からはあの群れがいなくなってしまっていました。トンボがいなくなり、すっきりとしてしまった秋の空は少し寂しく感じられました。

 

私はトンボが好きでした。だから昔、ちょっとした興味でトンボの数を数えた事があったから、たまたま気付いただけです。今でもそこに住む人は「そう言えば減ったかなあ」といった感じです。そりゃそうですよね、私だってトンボが好きだから気付いただけで、他の生き物がどうなっているかは良く知りません。別に誰も悪くない。ただ、トンボが減っているだけ。

 

温暖化や水辺の減少などがトンボ激減の主な原因と書きましたが、「など」の部分にはトンボ激減の最も深刻な問題、「水田などの水辺の環境の変化」があります。

 

これも仕方のない事ですが、どこの都道府県も税収の増加や農業の効率化のために水田を改良しています。

この方法でやると米の収穫が増えるぞー、となったら一直線。どこでもそれに倣って、あっと言う間に効率的な農業が日本全国に広まります。

 

その一つが土地区画整理事業と言って、昔ながらの曲がりくねった田んぼのあぜ道を真っ直ぐにして、稲の植え付け面積を増やそうって言うものなのですが……

 

トンボの卵、流されちゃうんですよね、コレ。

 

全ての土地区画整理事業がそうなのかは知りませんが、人間にとって都合の良いあぜ道、用水路とは、できるだけ真っ直ぐで面積がそう広くなく、大雨でもめったに決壊しないあぜ道、用水路です。

 

つまりコンクリートでできた深くて流れの速い用水路の周りにやはり真っ直ぐなあぜ道が走り、そこから小さな水路が引かれて田んぼに水が入る感じ。

 

うん、無理。そんな所で生きられるのザリガニくらい。

 

タニシもメダカも、鯉も鮒も、みんないなくなってしまいました。寂しいことこの上ない。あ、タニシは一匹だけいたか。

 

稲作の方法の変化もトンボにとっては大きなダメージだったようです。私は門外漢なので良く分からなかったのですが、昔に比べて水田の水を引き上げる時期が早くなっているのだとか。卵産む前に田んぼが原っぱになっちゃう。

 

とは言え、経済の流れに乗ってしまった人間の行動を止める事は、まず不可能です。いくらトンボや自然を守ろうたって、人には人の暮らしがありますから。トンボは大好きですが、ただ「増やそう、守ろう」って言ったって、ただのお題目になる事は分かりきっています。

 

ですから、トンボを増やそうと思ったら、トンボが増える事が出来る環境を人間が喜んで作るような形を探さなくてはなりません。

 

すでに変化してしまった稲作方法を再び前のようにする事は難しいでしょう。

もし「やっぱり田んぼの水抜きはもっと時期を遅くした方が収量が増えるよ!」と言った方法を編み出せれば、それが一番てっとり早いのですが、これは稲作の方法に精通している人じゃなければ無理そうです。もしそんな人がいらっしゃれば、その人は神です。私にとって。

 

ただの一般人、零細ライターにできる事ってなんだろう……と思っての記事の後半の主張な訳ですが、まあ、大した効果はないでしょうね……そもそものテーマが歴史で、トンボの繁殖じゃないし。

 

そんな訳で、ビオトープを作ってみる事にしました。

これも大繁殖する水草の間引きをしないとヤゴが住めなくなるので環境の整備が必要なのだそうですが、例え1㎡に満たない水辺でも、すぐ近くの道路でアスファルトの光の反射を水面と勘違いして産卵してるトンボの手助けくらいはできるでしょう。

 

トンボ、消えないで欲しいなあ。

秋津は日本の虫とか原風景とか色々書きましたが、つまりはそういう事です。

 

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こちら、しっかり色づいたナナホシテントウです。これも綺麗ですね。どちらも体がピカピカ過ぎて周囲の風景が写り込んでいました。すごいなあ。